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教育のエキスパート、マークス・シャーマン氏のクリニック&セミナーレポート

2018年10月04日(木)

カテゴリ:イベント / その他

去る9月26日、27日、馬術大国ドイツの教育システムを担う指導者、マークス・シャーマン氏の講習会が開かれました。

日中のクリニックはESJ千葉校で行われ、プロ、アマ、ジュニアライダーらがレッスンを受けました。
シャーマン氏はレッスンを始めるにあたり、まず人馬の強み、弱みをライダーに聞きました。そしてレッスンの途中にもライダーに今おこなった運動についての評価、分析を具体的に求めていました。その理由は、自分自身を分析し、指導者と話し合うことで、両者がレッスンでの共通の目標を持てるようにすること、また、目標に対して良い方向に行っているのかどうかを自らが感じ、判断できる能力を見出す手助けをするためです。それにより、すべてのライダーがポジティブな感覚を得ることができ、またそれがどのような道筋で、何を強く意識することで達成できたかを理解することができました。
聴衆に対しても、説明や解説をするだけでなく、質問を投げかけることで、レッスンで何が起こっていたか、それはなぜそうなったのか、理解させていきました。

26日の夕方から夜に行われたセミナーでは、「馬術を学ぶプロセス」と題した講演を行いました。
馬術を学ぶとはどういうことか、それを進歩させるにはどのようなプロセス、段階があるかなど、具体的な例を挙げ、講演をしました。その中で、見る、聞くよりも自ら考え体験する事が最も理解度が高いという話をされ、日中のクリニックはライダー、聴衆の理解を深めるための方法だったことがはっきりと認識されました。
また、後半はトレーニングスケールについて、より具体的、実践的なトレーニング方法にも置き換えて解説してくれました。特に人を使った実験は誰もが納得しました。ライダーは馬の反応を感じるフィーリングが必要ですが、それが何を意味しているのかが分からなければ、馬に対して間違ったアプローチをすることになってしまいます。そのためにもライダーには知識と経験が必要で、その前提としての教育の重要性がより浮き彫りになりました。
講演の最後の部分では、世界選手権に出場したライダーの馬場経路の映像を解説しました。そこで馬の問題の多くはライダーのシートとバランスの問題から来ていることが認識され、シートとバランスの重要性はアマチュアはもちろん、トップライダーであっても重要だということが分かりました。

今回は、アマチュアライダーだけでなく、乗馬クラブオーナー、インストラクター、日馬連関係者、審判員など、指導的な立場の方も多く参加され、みなさん良い刺激を受けて帰られたようです。
次回のクリニックもぜひ実現できるようにしたいと思っています。
お楽しみに!

マークス氏の略歴 Markus Scharmann

  • 1976年 ドイツ・ワーレンドルフ生まれ
  • 2001年 Pferdewirt(ベライター -プロの馬術教師資格)を優秀成績で取得
  • 2004年 Pferdewirtschaftsmeister(マイスター)を優秀成績で取得
  • 2001年より ドイツ馬術連盟(FN)勤務
  • 2004年より FN教育部門に入り、ベライター、マイスター受験者のための指導を行う
  • 2008年より FNプロフェッショナル教育部門責任者
  • 2012年より FNサイエンスコーディネーターとして、馬に関するあらゆるリサーチ、科学的な研究に評価を与える作業に従事する
  • 2013年〜2016年 新マイスター試験のシステム作成責任者
  • 2017年より マイスター試験官に就任

自身の厩舎を持ち、競技選手としても活躍し、
世界各地でクリニックなどを行っている。

  • ドイツ馬術連盟(FN) プロフェッショナル教育部門責任者
  • FN馬のパフォーマンス分析プロジェクト責任者
  • FNサイエンスコーディネーター
  • ヨーロッパ馬術教育ネットワーク(EEN)会長
  • ドイツプロライダー連盟理事
  • フォーンホルツ乗馬学校校長

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